馬場くんと美術の時間

かりん

2009年08月26日 14:17

昔から絵が好きでした。

少女漫画家に本気でなろうと思っていたので

高校で音楽と美術どちらか選択することになった時

迷わず美術を選びました。



美術の先生は40代前半?の女性で独身。

長い真黒な髪にパーマをあててアラレちゃん眼鏡をかけていました。

目がくるくるとよく動いてぽっちゃりとした体型。

この先生が「クールベ」(画家)と言うときの声がとても好きでした。

ホーミーのようにのどの奥から聴こえてくるのです。


授業中 描いている絵のことで先生にアドバイスをもらいに
いった時のこと…

話している途中 突然先生が

くわ~っっっ!

言ったかと思うと 口からものすごいスピードでデカいタンがピューっ!と出て

先生の左手首に びったーん!



先生は何食わぬ顏をして

「あ ごめん。」そういうと右手で

タンを直につまんでどっかへやったのです。

(すいませんねぇ 汚い話ばかりで…)

アドバイスも吹っ飛んで 私は席に戻りました。


美術といえば 馬場くんの話をしなければなりません。










A4の紙を縦にねじった絵を描いていました。

その陰影をマゼンタ(赤紫っぽい色です。)
という色の濃淡で表現しようとしていました。

単にこの時マゼンタという色を使いたくて仕方なかったのです。

絵も完成に近づいたある日

私の絵の裏に 「馬場」

名前が書かれているのを見つけました。


ええ?間違う?
ほとんど完成してるのに…


どこかのクラスの会ったこともない馬場くんが 
細い小さな字ですがしっかりと名前を書いて主張しているのです。

何か納得いかない気持で名前を消しました。

数日後 美術の時間 私の絵の裏には またもや「馬場」の文字が…

そんなことが3回は続いたと思います。

馬場って誰??

一体何のつもりで私の絵を自分の絵と主張するのでしょうか…。

嫌がらせか!?


だんだん腹が立ってきて


他のクラスの美術選択の子に聞いて馬場くんをつきとめました。

渡り廊下を友人たちと歩く馬場くんは ひょろひょろと背が高く
天パで地味~な植物で言うとマメ科の顔立ちをした人でした。


あまりに弱そうなので、攻める気も失せ
黙って立ち去ったのでした。


…また 名前書かれたら また消そう…。


もしかしたら彼は私の絵があまりに気に入って

そういうコミュニケーションを望んでいたのかもしれません。


















関連記事